かれこれ何年になるか
ある日、夫に腎臓病が見つかり、食事管理が必要になった。
塩分、タンパク質、カリウムの順で優先順位を付けられ
腎臓でカバーしきれなくなった血圧調整機能を、薬と食事管理でなんとかすることが最優先のタスクとして、妻の私に課せられた。
その日から、1日の塩分目安は、夫の身長から計算して6gと見積もられ、私はそれを目標に塩分(とタンパク質、時々カリウム)の調整に四苦八苦することになった。
塩分を減らせと言われると
単純に同じ調理法で塩分量を減らすことから始めがちだが、減塩で美味しく食べるにはたくさんのコツがある。
まず最初に認識しておくといいのは、和食は洋食と比較して塩分が高いということ。
そしてこれまで、さまざまな本から「美味しい減塩」のコツを掴むことができたので、まとめておくことにする。
美味しい減塩とはすなわち、きちんと味がするということ。私の料理の腕前の話しではない。
①減塩、食塩不使用の調味料をある程度揃える
【減塩】醤油、塩、味噌、ポン酢、コンソメ、鶏がらスープの素など
【食塩不使用】だしの素、料理酒など
最近は減塩の調味料が気軽に手に入るいい時代なので、まずは揃える。
これだけで、大分アドバンテージが稼げて気持ちも楽になる。
だしの素の中で有名な本だし(本だしごめん、美味しいよキミは)あれは食塩が入っていて、とても塩分が高い。盲点なので気を付けてほしい。減塩生活に入った時、私は泣く泣く捨てた(本だしホントごめんキミに罪はない)
マヨネーズは標準のものでも充分塩分低めの調味料なので、ガンガン使う。腎臓病の食事管理で最も難しいとされるカロリーの確保もできるので、大変重宝する。マヨ万歳。
※カリウム制限が厳しい人は減塩調味料のカリウム値に注意が必要なことは補足しておく
(わが家は特に高カリウムの食品を避ける程度で足りると指導されているので、使います)
②香りと酸味、辛味を上手く活用する
減塩でぼんやりしがちな塩味をカバーするのに役立つのが、香味。
例えば、しょうが、にんにく、ネギ、大葉、ゴマなどの薬味に使われるものが該当する。
香料を使った実験からもわかることだが、食べた時に香りがすると、ヒトは味がすると錯覚する。
意外なところで言うと、焦げ目も「味」という意味で一役買ってくれる。
胡椒や七味唐辛子などのスパイス系調味料に加えてローズマリーなどのハーブも、減塩の助けになる。七味唐辛子を豚汁にかけるのめっちゃ好き。
そして、減塩の強い味方がお酢やレモン汁などの酸味。酸味しっかりあっても、塩分ほぼゼロ。こいつを使わない手はない。
我が家はバルサミコ、白ワインビネガーなど酸味のバリエーションを増やして楽しんでいる。
バルサミコ酢とごま油にすりゴマの組み合わせは、中華ドレッシングみたいで美味しいのでオススメしておく。
③舌にふれる部分に味付けをする
減塩生活が始まって以来、我が家では下味はつけない。
これが当たり前になった今、特に下味がないことに問題を感じていない。(魚の臭みは塩を使わず、50度のお湯で洗い流すと良い。詳しくは検索してほしい。または無塩の調理酒を使うといいと思う)
舌に触れない部分に塩分をとられた減塩料理は、どうしても味がぼんやりして物足りなくなる。
限られた塩分を舌でしっかりとキャッチするには、物理的に表面に味付けするのが一番効果的。
そのため、うちでは焼きや炒めがメイン、煮物料理はほとんど作らなくなった。
鶏肉や野菜をグリルで焼いただけのものに、しっかり味のソースを付けて食べたり。焼いたお野菜美味しい。(これ子どもは食べないかもしれん、子どもがいるご家庭に寄り添った提案ができなくて申し訳ない)
当たり前だけど、パスタを茹でる時に塩は入れない…
コツは大体こんなところ。
あとは、思いつく限り意識してることを補足しておく。
どうしても味噌汁が食べたければ、味噌汁は一人あたり100mlで作る。そうすれば塩分は自ずと少なくて済む。
減塩について学んだとき、まず味噌汁の塩分の高さに笑ってしまった。
減塩に慣れた今は、市販の味噌汁しょっぱすぎて、味噌を減らさないと飲めないくらいになった。
つまり、減塩に慣れた私にとっても、市販品をしょっぱいと感じない人にとっても、慣れってのはそういうものだということ。
ヒトは必要以上の塩分を摂取して生きている。話し逸れてる。
あと個人的に意識しているのは、主菜に塩分をしっかり目に持ってくること。副菜は酸味や香味を使って少ない塩分で済ませる。
減塩の食生活がストレスにならないために、美味しくメインを食べる。これはとても大事だと思う。
食事管理には終わりがない。息切れしない為に大事にしてることもある。
手抜きに使える適正な塩分の冷凍品を探しておくこと。
とにかく、成分表を見まくって探す。
疲れた時はそれで済ませればいいと思えるだけで、気持ちがスッと楽になる。心の拠り所になる。
拠り所といえば、我が家ではミールタイムという塩分タンパク質などを調整した冷凍弁当を、体調不良で料理できない時、または精神的に「もう無理」の時のために、常備している。
ある程度の冷凍食品と弁当を常備するために必要だと判断し、冷凍庫も買った。
これのおかげで精神的にかなり楽になった。(アンド限定アイスのストック買い放題やったね)
ただし、こいつにかかる電気代は結構高い。
「お金で解決できることは解決しちゃいましょう!」これはカウンセリングの先生からのアドバイス。
終わりの見えない課題で逃げ出したくなるのは当然のこと。とにかく、逃げ道を作っておく。
いつも具体的なアドバイスをくれるので信頼してる先生です。
私がカウンセリングに行くようになったのは、長年鬱の父を見ていて予防が大事だと知っているからで、おかげさまで鬱になったことは今のところない。
食事管理で鬱を患う人は意外と多いらしい。腎臓を患う本人を含め、時々ご褒美も食べるようなメリハリが大事だと思う。
ていうか、なんで夫が腎臓患うと妻が食事管理する前提なの?ファック☺️こんなめんどくさいこと、夫の人柄がなきゃ絶対やらないできない。
減塩食だけでなく、腎臓病の食事管理でいうと
タンパク質制限の影響でカロリーが充分に摂取できず痩せてしまう人が多い。うちの場合もそうだった。
夫は去年から飲み始めた「フォシーガ」のおかげで糖が排出されてしまうため、ギリギリキープしていた体重が減少を始めてしまい
いよいよ対策を本格化しなくてはならなくなった。
しかし、太りたい人の為の情報なんてものは、残念ながらネット上に転がっていない。
そこで、痩せたい人の為の情報を調べ、それの逆をいくことにした。
説明は省きますが、太りたいなら同じカロリーでも
①脂質
②糖質
の順で優先して摂取するべきだ、という結論を導き出し、カステラにホイップトッピングして食べるなどの対策を実施。体重を増加させることに成功。腎臓の数値も横ばいで問題なし、グッジョブ私、よくやった。
腎臓病の食事管理においておすすめしたいのが、プロテインスコアの高いタンパク質を摂取すること。
これが意外と重要で、食品のプロテインスコアが高ければ高いほど腎臓で濾す必要のある老廃物が出にくい。
詳しくはプロテインスコアで検索してみてほしい。
一応、関連して昔書いたブログを貼っておく
もうだいぶ昔だから、所々言ってることおかしい可能性ある。
こんなもんかな…
減塩=腎臓病ではないことはわかってるし、まったく無関係な小言が多くて難読かもしれませんが、その辺は上手く取捨選択してください。
身体に良くないと知りながらも食事管理が上手くできないと、想像以上にストレスになると思うので、何か一つでもヒントになればという気持ちでせっせと書きました。
不安なこととか具体的なレシピや食品教えてくれよとか(いやレシピはちょっとめんどくさいな〜あはは)、なんかあれば直接なんらかの形でコメントやらください。