おしゃべりな脳みそ

脳内が多動

遣る瀬無さ引っさげた夜

‪まだ辺りは暗くない帰り道、一人とぼとぼ歩いていたら、後ろから来たプリウスが急減速、

私の少し前をじりじり徐行し始めた。

気持ち悪いなと思いながら、私も速度を落として必要以上にゆーっくり歩いてみる。攻防戦はしばらく続き、横道が出てきたところでプリウスがこちらに曲がれないくらい進行したのを確認して、私はカクッと道を曲がる。が、その瞬間にプリウスがピタッと停車。それを視界の端っこで確認した私は、くるりと回って来た道を駅に向かって小走りで引き返す。なんだこれめちゃくちゃ怖い。

引き返す私と、またもや横まで来て並走を始めるプリウス。こちらも負けじと小走りをやめ停止、「大丈夫、ここは防犯カメラがある」と確認しながら、少し距離が空いたのを見計らってダッシュで駅に近い別の道に入り、その先の店舗駐車場でしばらく待機。

追ってこないのを確認したあとは、遠回りしてバスや人が通る道を歩いて帰った。

わかってる。勘違いかもしれない。

道を間違えて、バックで戻りたかっただけだとすると、説明がつかないこともない。まじで速度おかしかったけど、私の思い込みの可能性は否定しない。

だとしても、私は怖かった。だらだら並走されて心底気持ちが悪かった。勘違いだとしても、こんな些細な事が怖くなるだけの事件が現実にたくさん起きているでしょ。

これが私の言い分。

 

事の顛末を夫に話したら、うーん気のせいだと思うよーと、めんどくさそうに言われた。ため息まじりに。ここで、すでにちょっと傷付く。

夫が気のせいだと思う理由を、諭すように一つずつあげていく。

まだ外が明るいこと。そもそも私が警戒心が強くて小さな違和感に敏感なこと。服装だって狙われるような格好じゃないだろうということ(どうやらカジュアルで露出が少ないと性被害に遭いにくいと思ってる模様。実際は服装は関係ないと私は思う)

別に若くもない(って夫に言われた)36歳の女だということ(マスクしてますけど年齢わかりますか?体型は大学時代とまったく変わらずキープしてますけども!というなんかよくわからない怒り)

そして、最後のとどめに

あの道を曲がった先には車が通れない橋がある。そこまで行けば車は来れないし、むしろそのまま行けば良かったんじゃないの?と言われて「あーダメだ、この会話」と思った。

違う。あの道を曲がってひとけのない橋まで行って、あんな逃げ場のない狭い場所で車から運転手以外の人が降りて来たら?筋力ゼロの非力な私ではとても男性の力には太刀打ちできない。

それを咄嗟に判断しての「小走りで駅に引き返す」だった。でもそれが、男性である夫には想像できないんだ。

なんだろう、このやるせなさは

いや、別に夫は悪くない。きっとこれは、何も知らない男性の想像できる範疇を超えているんだと思う。育ってきた環境が違いすぎてわからないことって、あるよなぁ。

それは多分、私にもある。誰が悪いでもなく。でもな、私は相手が怖い思いしたんだ、ってことを大事にしたい。だから君がゴキブリを怖がって、退治を要求してきたら「任せろ」って絶対殺るまで諦めない。正直、刺すわけでもないからゴキブリなんかどうでもいいけど、君が嫌な気持ちになるのは放っておけない。

同じことを求めてはいけないとわかっているので、この件について本人には何も言わないと決めている。ただ、遣る瀬無さは残るよな。

今宵はそんな遣る瀬無さ引っさげた夜です。

 

あー新しいカロリーメイトのCMかっこいいなー!米津玄師ー!

 

 

 

(30代40代は、まさか自分が…と警戒していない人が多いこと、その年齢で?と思われるのを恐れ被害の申告を躊躇する傾向があること、それらを理由に狙われるケースも増えていると記事で読みました。ターゲットになるかどうかに年齢による差異は思ったほどないのかも知れない。だから、みんな年齢や見た目に関係なく気を付けてほしいなと思います。人通りのない道を歩こうとした私が言えたことでもないですが…)