山形のばあちゃんが、毎年恒例のさくらんぼを送ってくれた。ばあちゃんが送ってくれるさくらんぼが、一番美味しい。毎年とても楽しみにしている。
お礼の電話をしたら、大体私の心配をしつつ、自分はなんとかやってるから大丈夫だよと短く語って早々に電話を切り上げるのがお決まり。
けれど今日は、違った。
急にばあちゃんが「もう動けなくなって私なんか死んだ方がいいなと思って」などと言い出した。先日の地震でかなり揺れた地域なので、気が弱くなっているのかもしれない。
オロオロするだけの不甲斐ない孫で申し訳ない。
身体の自由がきかなくなっても、ただ生きててほしいなんて私のエゴに思えて、言葉に詰まってしまった。
でも「いるだけで支えになるような存在だから、長生きしてもらわなきゃ困る」と一緒に住む従姉妹たちが真面目な顔で言うほど、ばあちゃんは人格者だ。私にとって、祖母であると同時に、数少ない尊敬できる年配者の一人。引け目を感じながら生きてほしくはない。
生きててほしいって、難しいな。
来年もさくらんぼ送ってよ。そんなことしか言えなかった。